競馬予想の際に用いるのが蓄積されたデータです。
競馬はよほどのことがない限り、毎週開催され、一日に何10レースも開催されます。そのため、データは大量にあります。
膨大なデータを読み解き、好走する馬を見出すことこそが競馬予想の醍醐味です。
ところで、データにはさまざまなカテゴリーが存在しますが、そのなかにリーディングサイヤーというジャンルがあります。
リーディングサイヤーとは種牡馬ごとに産駒の成績をまとめたものです。
種牡馬の特徴をつかめば、得意な舞台で好走する馬を見つけ出し、馬券収支向上にもつながるでしょう。
当記事では、毎週更新される種牡馬データのランキングを紹介した上で、現在活躍している種牡馬の特徴をまとめました。
《この記事で分かること》
- 2021年12月12日時点でのリーディングサイヤーランキングが分かります。
- 新種牡馬の情報が分かります。
- リーディングサイヤーランキングトップ10が分かります。
- 種牡馬市場の変動が分かります。
リーディングサイヤーランキングとは?
1年ごとにまとめられた種牡馬の産駒全体の獲得賞金をランキングでまとめたものです。
競馬ではさまざまな産駒がレースを繰り広げています。
結果を残した産駒の父は評価され、リーディングサイヤーに記録されていきます。
産駒の成績をまとめたうえで、好走率の高い種牡馬は上位にランクインされるのがリーディングサイヤーランキングです。
もっとも活躍している産駒を輩出しているのはディープインパクト!
(ありがとうディープインパクト。現役時代追いかけ続けられて改めて感謝です…) #Snowfall #DeepImpact pic.twitter.com/ZUV28NJEzv
— RINOT(リノ) (@rinotsuji) June 4, 2021
2021年12月12日時点でサイヤーランキングトップを走り続けているのは名馬ディープインパクトです。
種牡馬として多くの産駒を輩出したディープインパクト。産駒には確かに父のもつポテンシャルの高さが継がれているのでしょう。
新種牡馬も活躍している
現役時代に活躍した馬は引退後、新種牡馬として繋養されます。
例えばエピファネイアは2016年に種牡馬入りし、初年度産駒は2019年にデビューしました。
初年度産駒からはいきなり無敗の牝馬三冠を成し遂げたデアリングタクトを輩出します。
2年度産駒は皐月賞と天皇賞(秋)を制したエフフォーリア、そして3年度産駒には阪神JFを制したサークルオブライフがいますね。
現役時代に活躍した馬の仔はたしかに大舞台でも好走する傾向があります。
エピファネイア以外にもG1馬を輩出している種牡馬はいます。
例えば、名マイラーのモーリスはピクシーナイトを輩出し、同時期に種牡馬入りした二冠馬ドゥラメンテも産駒のタイトルホルダーが菊花賞を制しました。
新たに種牡馬入りした馬もしっかりと結果を残していますね。
リーディングサイヤー上位10頭を紹介
ここからは、2021年12月12日時点でのリーディングサイヤートップ10を紹介しつつ、種牡馬の特徴を紹介します。
1位 ディープインパクト
現役時代も種牡馬としても大活躍したディープインパクトが9年連続でトップに立っています。
あいかわらず芝における成績は文句のつけようがなく、2021年もシャフリヤールがダービーを制し、産駒としては7頭目となるダービー馬を輩出しています。
古馬を見てもグランアレグリアが短距離やマイルでG1タイトルを手にし、コントレイルがジャパンカップで有終の美を飾っていますね。
2019年にディープインパクトは死去したため、キズナやコントレイルといった後継種牡馬のポストディープインパクト争いが熾烈になる見込みです。
2位 ロードカナロア
リーディング2位は史上最強のスプリンターとも評されるロードカナロアです。
父はキングカメハメハです。ロードカナロアは現役時代、凱旋門賞よりも勝つことがむずかしいといわれていた香港スプリントを連破しました。
種牡馬としては、サンデーサイレンスの血が入っていないことから、優秀なサンデーサイレンス系牝馬と交配できるのが強みです。
代表産駒のアーモンドアイをはじめ、ダノンスマッシュやサートゥルナーリアにも恵まれましたが、近年はこれといった有力馬を輩出していません。
キングカメハメハの後継種牡馬も続々と種牡馬入りしているので、そろそろ有名馬を輩出したいですね。
3位 ハーツクライ
3位はハーツクライです。
ディープインパクトに唯一先着した国内馬ということが高く評価されました。
ジャスタウェイやリスグラシューの親でもあり、ディープインパクトとキングカメハメハの種牡馬2大巨塔が亡くなったあとも、種牡馬として活躍しました。
産駒は古馬になって大成する馬が多いです。また、長く活躍する馬が多いのもポイントです。
長く種牡馬として活躍しましたが、年齢のために2020年をもって種牡馬を引退しました。
4位 キズナ
4位はディープインパクト産駒のキズナです。
現役時代は現在種牡馬として活躍しているエピファネイアに先着し、ダービータイトルを手にしました。
古馬になってからはディープインパクトの早熟が反映され、思うように活躍できませんでしたが、ポストディープインパクトとして種牡馬入りします。
産駒は短距離から長距離、芝・ダート問わず活躍している産駒が多く、距離や舞台適性の幅が広いです。
5位 キングカメハメハ
5位にランクインしたのはキングカメハメハです。
キングカメハメハは非サンデーサイレンス系の馬で、優秀なサンデーサイレンス系の馬と交配できるのが最大の強みです。
ロードカナロアやドゥラメンテ、レイデオロにホッコータルマエといった距離も舞台も問わない産駒を輩出しています。
ディープインパクトを追うように亡くなりましたが、ディープインパクトと違ってロードカナロアやルーラーシップといった後継種牡馬には恵まれました。
6位 ルーラーシップ
キングカメハメハ産駒のルーラーシップは母がエアグルーヴの良血馬です。
現役時代は香港で開催されたクイーンエリザベスⅡ世カップを勝っています。
非サンデーサイレンス系の馬なので多くの生産者に期待された馬です。
代表産駒は菊花賞を制したキセキやダンビュライトがいます。
7位 オルフェーヴル
ディープインパクト以来の三冠馬となったオルフェーヴルは気性難として知られていましたが、種牡馬としてもしっかりと成果を上げています。
父と同じく、スタミナとパワーに定評のある馬を輩出しているのが特徴で、上り坂を駆け上がる競馬場を得意とする馬が多いですね。
代表産駒はエリザベス女王杯を連破したラッキーライラックでしょう。
そのほかにはエポカドーロやオーソリティ、ソーヴァリアントがいます。
8位 エピファネイア
新種牡馬のエピファネイアは3代前にサンデーサイレンスがいるものの、血統濃度が薄いことから、母父サンデーサイレンスの牝馬とクロスすることができます。
また、キングカメハメハの血も入っていないので、キングカメハメハ産駒と交配もできます。
優秀な牝馬と交配でき、毎年のようにG1ホースを輩出していることから、2022年の種付け料は1,800万円で首位に躍り出ました。
9位 ダイワメジャー
ダイワメジャーは現役時代に春秋マイルG1を制した名マイラーです。
産駒は短距離やマイルの重賞タイトルこそいくつも手にしていますが、芝の2000m以上のレースではタイトルをつかめていません。
ダイワメジャー産駒は、父の特徴が色濃く反映される血統ですね。
10位 ヘニーヒューズ
ヘニーヒューズはアメリカの競走馬で、現役代は短距離ダートで結果を残しました。
代表産駒は朝日杯FSを制したアジアエクスプレスに、フェブラリーステークスを制したモーニン、かしわ記念勝ち馬のワイドファラオがいます。
変動する種牡馬市場
種牡馬の価値は毎年変わります。
産駒の活躍によって種付け料は変動しますし、何らかの理由で種牡馬を引退する馬もいれば、新種牡馬が入ることもあります。
2021年の種牡馬市場のなかでも大きなニュースになった出来事をまとめました。
モーリスは前年度よりも種付け料が100万円ダウン
モーリスの2022年の種付け料は700万円で確定しました。前年よりも100万円のダウンです。
有名牝馬とのあいだに生まれた産駒が思うような活躍を見せていないのが原因です。
モーリスのように、大器晩成するかもしれませんが、現時点では昨年よりも期待の下げる結果となりました。
ドゥラメンテ産駒は2022年誕生の産駒がラストクロップ
良血馬のドゥラメンテは夏に急性大腸炎のため、死去しました。
そのため、2022年に生誕する産駒がドゥラメンテのラストクロップとなります。
タイトルホルダーが菊花賞を制したので、ポストドゥラメンテは確保されましたが、ファンが見たいのは父のような豪脚を発揮する産駒でしょう。
コントレイルの種付け料は破格の1,200万円!
2021年のジャパンカップで有終の美を飾ったコントレイルの初年度種付け料は破格の1,200万円です。
初年度からこれだけの価格が設定される背景には、ポストディープインパクトとして大いに期待されているからでしょう。
まとめ
種牡馬のリーディングは毎年微妙に変動しますが、よほど有力な種牡馬が入ってこない限り、大きな変化はありません。
しかしながら、2000年以降の競馬界を支えたディープインパクトとキングカメハメハの2頭が亡くなったため、今後の種牡馬市場はすこしずつ変動するように感じます。
今後、どの産駒がターフを席巻するのか、注目したいですね。