2000年代にデビューし、圧倒的な強さで競馬界を席巻したディープインパクトは、競馬に興味のない人でも名前は知っている人が多いです。
ディープインパクトは種牡馬としても大活躍し、現在もディープインパクトの仔がターフで走っています。
ところで、全てのディープインパクト産駒のなかでもっとも強い馬はどの馬か、気になりませんか?
ここでは、たくさんいるディープインパクト産駒の中でもっとも強い馬を距離別に紹介していきます。
《この記事で分かること》
- 最強のディープインパクト産駒が分かります。
- 有名なディープインパクト産駒が分かります。
- ディープインパクトの代表産駒が分かります。
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目次
競馬界を席巻しているディープインパクト産駒
わずか4歳で現役を引退したディープインパクトは、年間200頭以上の牝馬と交配し、数多くの産駒をターフに送りました。
初年度産駒のリアルインパクトやマルセリーナ、2年目産駒のディープブリランテやジェンティルドンナがG1タイトルを手にすると、ディープインパクトの評価が高まります。
その後もディープインパクト産駒はG1レースで馬券に絡み、ディープインパクトは種牡馬としても大成功を収めました。
ディープインパクト産駒のG1タイトル
2021年現在、JRAで開催されているG1は26レースです。
そのうちの22レースをディープインパクト産駒は勝利しています。
ディープインパクト産駒が手にしていないタイトルは高松宮記念とフェブラリーステークス、チャンピオンズカップ、そして障害G1の中山グランドジャンプです。
芝のG1に限れば、産駒が高松宮記念を勝てば全ての芝G1タイトルを手にします。
ちなみに暮れの中山大障害は2014年にレッドキングダムが制しています。
ディープインパクト産駒の最強馬
最強馬を決める前に、すべての競走馬には適性距離があります。
もちろん、ディープインパクト産駒も例外ではありません。
そのため、距離別にもっともすぐれたディープインパクト産駒を見ていきます。
最強短距離馬 グランアレグリア
ディープインパクト産駒で最強の短距離馬はグランアレグリアでしょう。
もともとディープインパクト産駒は中距離以上を得意とする馬が多いです。
短距離適性の高いアドマイヤムーン産駒やサクラバクシンオー産駒と比較すると短距離におけるディープインパクト産駒の好走率は低いです。
ところがグランアレグリアは2019年の暮れに開催された阪神カップにおいて、異次元の追い込み競馬で勝利すると、短距離馬としての才能を開花させます。
古馬になって挑んだ安田記念では当時、現役最強馬だったアーモンドアイに先着しました。
また、秋のスプリンターズステークスやマイルチャンピオンシップでは、絶望的な位置からの追い込みで勝利を手にしました。
タイキシャトルやモーリスを超えるマイラーと評価する人もいるほどの名牝です。
最強中距離馬 ジェンティルドンナ
ディープインパクト産駒の最強中距離馬は人によって違ってくるでしょう。
数多く存在するディープインパクト産駒の中から、ジェンティルドンナを推した要因は、産駒の中でもっともG1タイトルを手にしているからです。
実は、ディープインパクト産駒は1頭あたりのG1タイトル獲得数はそこまで多くないです。
例えば、牡馬であればコントレイルが最多の5つ、続いてフィエールマンが3つです。
それ以外の馬はG1獲得数が1つか2つの馬がほとんどです。
しかし、このジェンティルドンナはG1勝ち数が7つと、すべてのディープインパクト産駒のなかでもっともタイトルを手にしています。
ジェンティルドンナが勝ったG1は、
- 牝馬三冠
- ジャパンカップ(連覇)
- ドバイシーマクラシック
- 有馬記念
G1レースの中でも価値の高いタイトルを手にしています。
レースの中身も濃いものが多く、3歳のときに挑んだジャパンカップではひとつ年上の三冠馬オルフェーヴルを弾き飛ばすパフォーマンスで勝利しました。
そして、引退レースとなった有馬記念でも有力馬を振り切って有終の美を収めました。
最強長距離馬 フィエールマン
有馬記念(GI)まで、あと【4日】!
2019年天皇賞(春)(GI)を制したのは、#フィエールマン!
菊花賞(GI)に続きGI 2勝目を飾る!平成最後のGIを手にしたよ。#うまび #有馬記念 #ルメール pic.twitter.com/OzWOewvBAU— Umabi (@Umabi_Official) December 18, 2019
ディープインパクト産駒の最強ステイヤーはフィエールマンでしょう。
フィエールマンは現役時代に菊花賞と制し、天皇賞(春)を連破した馬で、生涯で獲得したG1はいずれも芝3000m以上の距離でした。
しかし、フィエールマンはただのステイヤーではありません。
過去に天皇賞(秋)や小回りの札幌記念で馬券に絡んでいるように、どんな距離でも馬券に絡んでいて、距離の適性幅がものすごく広い馬です。
一戦使われるたびに、疲労を溜めてしまうタイプなので使い詰めはできませんでしたが、ベストな条件ならどんな舞台でも力を発揮できる馬でした。
ディープインパクト産駒は個性のデパート
産駒の絶対数がほかの馬よりも多いので、個性的なディープインパクト産駒も数多くいます。
そのなかでも、知名度のあるディープインパクト産駒のエピソードを紹介します。
ディープインパクト産駒の早熟が反映されたサトノダイヤモンド
今日はサトノダイヤモンドの誕生日。
サトノダイヤモンドは2016年有馬記念、菊花賞の優勝馬。
海外挑戦も含め、2017年も活躍が期待される馬だな。#うまび pic.twitter.com/8CsMabGmLT— Umabi (@Umabi_Official) January 30, 2017
サトノダイヤモンドはオーナーの里見治さんにはじめてG1タイトルをプレゼントした馬です。
それまで、里見さんが所有していた馬はなかなかG1タイトルを手にすることができず、一部では、
「サトノノ呪い」
と言われるほどでした。
サトノダイヤモンドも皐月賞で3着、ダービーではハナ差でマカヒキに敗れ、なかなかジンクスを打ち破ることができませんでした。
ところが、クラシック最終戦の菊花賞をあざやかに勝ちきり、里見オーナーに悲願のG1タイトルを届けることができたのです。
ちなみに、サトノダイヤモンドが菊花賞を制した直後、香港ヴァースでサトノクラウンが勝利し、朝日杯FSでサトノアレスが勝ち、それまでのジンクスは嘘のように消え去りました。
ところが、サトノノ呪いとはまた違った悲運がサトノダイヤモンドに降りかかります。
それは、ディープインパクト産駒の早熟説です。
ディープインパクトは若い時の完成度が高い反面、年齢を重ねると衰えやすい傾向があります。
サトノダイヤモンドも4歳で挑んだ凱旋門賞でなすすべもなく敗れ去ると、その後、スランプに陥ります。
5歳の秋初戦で挑んだ京都大賞典こそ勝利したものの、条件戦上がりの牝馬レッドジェノヴァに詰められての辛勝でした。
全盛期と比較するとパフォーマンスを落としていたのは明らかで、引退レースの有馬記念でも目立たず、静かにターフを去りました。
ジェンティルドンナのために泣きを見たヴィルシーナ
ヴィルシーナと内田博幸騎手 (Verxina & H.Uchida)
同世代のジェンティルドンナとハナズゴールが海外で結果を出しているのを見て奮起したかの様な見事な連覇。※画は2012年秋華賞 pic.twitter.com/UYcEDZ3JbS— Horse Memorys (@horse_memorys) May 18, 2014
ヴィルシーナは元横浜ベイスターズの投手をつとめた大魔神こと佐々木浩一さんの所有する牝馬です。
クラシックの有力馬に挙げられていましたが、生まれた世代が悪かったといわざるを得ません。
なぜなら、同期には、ジェンティルドンナがいたからです。
ジェンティルドンナは牝馬三冠を成し遂げました。
そして、ヴィルシーナは牝馬三冠レースでいずれも2着……。
もしもジェンティルドンナがいなければ、ヴィルシーナが牝馬三冠を成し遂げていた可能性もあったのです。
ジェンティルドンナのために、3歳のときはG1タイトルを手中におさめることができませんでした。
しかしながら、古馬になってヴィクトリアマイルを連破しているように、G1級の実力を持っているのは確かです。
短距離ディープ産駒の開拓者ミッキーアイル
2015年10月4日 中山11R 第49回 スプリンターズステークス(GI) ミッキーアイル その3 #keiba pic.twitter.com/E5GfapVggx
— はねひろ@ディープ産駒カメラマン (@hanehiro_deep) October 5, 2015
ディープインパクト産駒は中距離から長距離にかけてパフォーマンスを発揮する馬が多いです。
ところが、ミッキーアイルは短距離からマイルで結果を残しました。
勝利こそ掴めませんでしたが、高松宮記念とスプリンターズステークスで連対実績があり、数少ない短距離適性の高いディープインパクト産駒です。
引退後は種牡馬入りし、メイケイエールやナムラクレアといった短距離重賞馬を輩出しています。
史上初の父仔無敗の三冠馬を成し遂げたコントレイル
2021年のジャパンカップで有終の美を飾ったコントレイルは、競馬史上3頭目となる無敗で三冠を手にした馬です。
父ディープインパクトも無敗で三冠を成し遂げたので、父仔で無敗の三冠馬になりました。
菊花賞のあとに挑んだジャパンカップでは、先輩三冠馬のアーモンドアイに先着を許しましたが、十分すぎる活躍で古馬になりました。
古馬になっても父と同じように活躍するだろう……。誰もがそう思ったのではないでしょうか。
ところが、古馬の初戦に挑んだ大阪杯では、直前の雨のために3着に敗れるとそれを最後に春は全休。
秋初戦に挑んだ天皇賞(秋)は、3歳馬のエフフォーリアに先着を許します。
ディープインパクトは古馬になってからもすばらしいパフォーマンスで結果を残しましたが、コントレイルは古馬になってから勝利していません。
偉大なる父に追いつくためにも、そして種牡馬価値をあげるためにも、なんとしてもタイトルを掴みたい……。
続くジャパンカップはコントレイルにとって最後のレースでした。
全力で仕上げられたコントレイルは、福永騎手の手綱さばきにこたえて、あざやかに勝利を手にしました。
有終の美を飾ったコントレイルは、ポストディープインパクトとして種牡馬入りしました。
まとめ
【貴婦人VS金細工師】
2012年、11月25日に行われたジャパンCは、三冠牝馬ジェンティルドンナと三冠馬オルフェーヴルが激突。激しい叩き合いの末、勝ったのはジェンティルドンナ。今日でちょうど9年となります。#競馬 #keiba #ジェンティルドンナ #オルフェーヴル https://t.co/Uz3fGCp9t5 pic.twitter.com/rtn69DbKnt— 競馬ラボ (@keibalab) November 25, 2021
競走馬には距離適性があるので、どの馬が最強か、決めるのは難しいです。
それを踏まえた上で最強馬を挙げるのならジェンティルドンナでしょうか。
ディープインパクト産駒でもっともG1タイトルを手にしている馬ですし、オルフェーヴルやゴールドシップ、エピファネイアといった強豪相手に勝った牝馬であることも評価したいです。
コントレイルも強い馬ですが、有馬記念や天皇賞(春)は未出走で、どうも得意舞台を選んでいる感じがしました。
以上のことから、ディープインパクト産駒の最高傑作はジェンティルドンナだと思います。