良血馬エピファネイアの産駒は走る?産駒の特徴を5つ紹介!

競馬 血統

エピファネイアはシンボリクリスエスがこの世に輩出した産駒の中で、もっとも知名度が高い馬でしょう。

主戦の福永騎手の手綱で菊花賞を勝利し、古馬のジャパンカップでは並みいる強豪相手に横綱相撲で完勝しました。

最終的に獲得したG1タイトルは2つでしたが、レースパフォーマンスと血統背景が評価され、種牡馬入りを果たしました。

当記事では、今後続々とデビューするであろうエピファネイア産駒の特徴を紹介していきます。

《この記事で分かること》

  • 現役時代のエピファネイアの活躍が分かります。
  • エピファネイア産駒の長所が分かります。
  • エピファネイア産駒の苦手なポイントが分かります。

超良血馬のエピファネイア

良血のイメージ

エピファネイアは超良血馬です。

父のシンボリクリスエスは現役時代、2年連続で秋の中距離三冠(天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念)に挑みました。

そして、天皇賞(秋)と有馬記念は2年連続で勝利しています。

そして、母馬は名牝シーザリオです。リオンディーズやサートゥルナーリアもシーザリオの仔で、繁殖牝馬としても優秀なお母さんですね。

シーザリオは強い産駒を世に輩出していますが、その第一人者はエピファネイアでした。

両親ともに現役時代に結果を残してたので、エピファネイアはデビューから多くの人に期待されました。

そして、シンボリクリスエスの再来といえるレースぶりで結果を残し、期待に応えたエピファネイヤはクラシックに挑みます。

皐月賞はロゴタイプの2着に敗れましたがあくまでここは通過点。

エピファネイア陣営の本命は、いうまでもなく父がつかめなかったダービータイトルでした。

このころの福永騎手もダービーはまだつかんだことのないタイトルでした。

人馬ともに初タイトルを狙いましたが、最後の最後、キズナに差され、2着に敗れてしまいます。

残された一冠、菊花賞こそ手にしましたが、ロゴタイプもキズナも不在の中で手にしたタイトルでした。

エピファネイア陣営、そして福永騎手にとっても、歯がゆい1年となったのではないでしょうか。

そして、古馬になったエピファネイアは結論からいうと1勝しか勝利していません

しかし、その1勝が現在においても高く評価されています。

唯一手にした1勝は2014年のジャパンカップです。

この年のジャパンカップは例年以上にメンバーが揃いました。

  • 史上初のジャパンカップ3連覇を目論むジェンティルドンナ
  • 世界リーディングナンバー1になったジャスタウェイ
  • 天皇賞(秋)を勝ったスピルバーグ
  • この年の桜花賞馬ハープスターと皐月賞馬イスラボニータ
  • 天皇賞(春)を連破したフェノーメノ

外国馬を見ても

  • ドイツG1を2勝のアイヴァンホウ
  • ジャマイカハンデキャップを制したアメリカのアップウィズザバーズ
  • この年のアイルランドダービーを制したトレーディングレザー

国内外とわず、数多くの名馬が集まり、まるで府中で開催させる有馬記念のような豪華メンバーでした。

そのなかで、エピファネイアは直線であざやかに抜け出し、2着のジャスタウェイに4馬身差をつけて完勝しました。

このレースがエピファネイアにとっての最後の勝ち星となりました。

しかしながら、良血統と、ジャパンカップの勝ちっぷりが高く評価され、初年度の種付け料は250万円という高額で募集が開始されたのです。

エピファネイアが種牡馬として期待された理由

種牡馬としてのエピファネイアが関係者に期待された理由はもうひとつあります。

1990年初頭、日本競馬界に大変革をもたらしたサンデーサイレンスという馬がいました。

サンデーサイレンスはアメリカの競走馬ですが、日本に種牡馬として輸入されると、またたくまに産駒が勝ち星を手にし、生産者はこぞってサンデーサイレンスを求めます。

すると、ターフにはサンデーサイレンス産駒になり、ある問題が生じてしまいます。

競走馬は引退後、牡馬は種牡馬として、牝馬は繁殖牝馬として第二の人生を送ります。

ところが、両親の血が濃すぎると、産まれた仔がなんらかの障害を抱えたり、虚弱体質になりやすいです。

例えば、両親の父がともにサンデーサイレンスの場合、子どもに引き継がれるサンデーサイレンスの血の濃度が50%になってしまいます。

競走馬にとってベストな血量は18.75%といわれて、この濃度をもった産駒は『奇跡の血量』と呼ばれます。

両親がサンデーサイレンスの仔は明らかに血濃度が濃すぎてしまうので、引退後のサンデーサイレンス産駒の扱いに多くの関係者は悩まされたのです。

サンデーサイレンスの血が全く入っていないキングカメハメハがこの時期、種牡馬として重宝された背景には、サンデーサイレンス産駒の牝馬と交配できたからです。

それほどまでに一時はサンデーサイレンス産駒が競馬界にあふれていました。

さて、時代は流れ、サンデーサイレンスの血がだいぶ薄らぎ、サンデー系の血を持つ馬同士を交配させてもそこまで大きな問題にはなりません。

エピファネイアは母方の3代前の父がサンデーサイレンスですが、相手を選べばサンデーサイレンスの奇跡の血量を持った産駒が生まれやすくなりました。

このような時代背景から、種牡馬としてのエピファネイアの需要が高まったのです。

代表的なエピファネイア産駒

仔馬の群れ

エピファネイアの仔が最初にデビューしたのは2019年です。

産駒をターフに送り出して、まだ3年ほどしか経っていませんが、その中で活躍した重賞馬をまとめました。

  • デアリングタクト

種牡馬としてのエピファネイアの価値を高めた馬です。競馬史上初となる『無敗』で牝馬三冠を成し遂げました。

  • エフフォーリア

エピファネイアの2年目産駒の皐月賞馬です。古馬混合戦の天皇賞(秋)に3歳の時点で挑み、三冠馬のコントレイルをおさえて優勝しました。

  • アリストテレス


主な勝ち鞍はAJCCですが、それ以上に印象的なのは菊花賞です。三冠に王手をかけたコントレイルを最後の最後まで追い詰めました。

  • サークルオブライフ

エピファネイアの3年目の産駒です。阪神JFを後方一気で勝ち、G1ホースになりました。

重賞馬はいずれもサンデーサイレンスのインブリード

先ほど紹介した4頭の産駒はいずれもサンデーサイレンスのインブリードで、母方の3代前にサンデーサイレンスがいます。

サンデーサイレンスの4×3なので、血量が18.75%の奇跡の血量持ちです。

エピファネイア産駒の特徴5選

複数の馬

ファーストクロップから毎年のようにG1馬を輩出しているエピファネイア産駒。

エピファネイア産駒産駒の特徴をデータから解いていきます。

G1レースに強い

金メダル

わずか3世代ですでにG1タイトルをいくつもつかんでいるように、G1レースに強い馬が多くいます。

また、2021年11月時点で、産駒が手にしたG1タイトルはいずれも2.3歳限定レースです。

エピファネイア産駒はディープインパクト産駒並みに若くして完成度の高い馬を輩出していますね。

重賞馬は少ないが、2.3着にはよく絡む

重賞馬の絶対数が少ないのもエピファネイア産駒の特徴でしょう。

エピファネイアの同期のダービー馬、キズナも種牡馬として世に産駒を輩出しています。

2021年11月時点でエピファネイア産駒の重賞馬は4頭に対し、キズナ産駒は11頭です。

ただし、G1ホルダーに目を向けるとエピファネイア産駒はすでに3頭のG1馬がいますが、キズナ産駒はエリザベス女王杯におけるアカイイトだけです。

大舞台における勝負強さはエピファネイア産駒に軍配が上がりますね。

また、重賞馬こそ少ないものの、オーソクレースやクラヴェルはコンスタントに重賞で馬券に絡んでいますね。

まだまだ重賞タイトルをつかめるだけのポテンシャルを持った馬は多く見受けられます。

得意舞台は芝の中距離から

エピファネイア産駒がつかんだ重賞レースを見ていると、エピファネイア産駒の得意舞台は中距離となります。

デアリングタクトは桜花賞を、サークルオブライフは阪神JFを手にしているので一見、マイル適性もあるように思えます。

ただ、デアリングタクトの桜花賞は重馬場で力が求められていましたし、サークルオブライフの阪神JFも時計のかかりやすい冬開催でした。

このことから、デアリングタクトもサークルオブライフも中距離適性が求められていた可能性は十分考えられます。

エピファネイア産駒の芝の距離別成績

もうひとつ、データを挙げます。

こちらはエピファネイア産駒がデビューしてから2021年12月12日までの上位入選回数と勝率、複勝率を距離別でまとめたものです。

エピファネイア産駒がもっとも好走するのは芝の2201mから2600mにかけてですね。

マイルの成績もよいですが、ベストは中距離以上であることが分かります。

なお、同期のキズナ産駒と比較すると、エピファネイア産駒の主な重賞勝ちがマイルから中距離に対し、キズナ産駒は短距離も長距離も、果てはダート重賞まで手にしています。

キズナ産駒の方が距離や舞台適性の幅が広いのは確かです。

エピファネイア産駒は怪我しやすい?

デアリングタクトは古馬初戦に挑んだ金鯱賞から2か月後に右前肢を故障し、全治不明の重賞を負いました。

また、2020年のホープフルステークスで2着に入選したオーソクレースも骨折のため、春のクラシックが白紙になっています。

産駒数が少ないので、あくまでも推測にすぎませんが、ほかの産駒よりも故障が多いかもしれません。

早熟馬が多い?

若くして活躍する反面、古馬になって思うように勝ち星を増やすことができていないのもエピファネイア産駒の特徴かもしれません。

エピファネイアとキズナ産駒の古馬の成績

こちらは2021年、1月5日から12月12日までの4歳のエピファネイア産駒とキズナ産駒の勝ち星をまとめたものです。

エピファネイア産駒が15勝に対し、キズナ産駒は40勝と、差は歴然です。

早熟傾向にある産駒で有名なのはディープインパクトですが、もしかしたら、エピファネイアの仔はそれ以上に早枯れする傾向が強いかもしれません。

まとめ

現役時代に力強い競馬で勝ち星を重ねたエピファネイアの能力は確かに産駒に継がれています。

しかしながら、怪我しやすい傾向や古馬になってから思うように活躍できておらず、少なからず弱点もあります。

まだまだ歴史の浅い種牡馬なので、今後の活躍次第ではデータが覆るかもしれません。

エピファネイア産駒の長所と短所を抑えることで、馬券収支の向上に役立てばと思います。