ゴールドシップは2010年代前半に活躍した競走馬です。
現役時代に獲得したG1タイトルは6つ、クラシックレースやグランプリレースのタイトルを手にしました。
引退後は、種牡馬入りし、現在も繋養先のビッグレッドファームで生活しています。
ゴールドシップの初年度産駒は2019年にデビューしました。種牡馬歴は浅いですが、すでに重賞タイトルをつかんだ馬もいます。
産駒の活躍に期待のかかるゴールドシップ。
当記事では、ゴールドシップ産駒はどのような特徴があるか、まとめました。
《この記事で分かること》
- ゴールドシップがどのような馬なのか分かります。
- ゴールドシップの代表産駒が分かります。
- ゴールドシップ産駒の特徴が分かります。
目次
見た目の美しさと気性難のギャップで多くのファンを獲得したゴールドシップ
ゴールドシップは芦毛の馬体が美しい馬です。また、向こう正面からしかける追い込み競馬がテレビ映えし、印象に残る競馬を何度も行っていました。
そして、見た目に反して気性が荒いのも特徴です。ゲートはなかなか入らずゲート員を何度も困らせます。
スタートも下手で、2015年の宝塚記念ではゲートの中で立ち上がったときにゲートが開いてしまい、2秒以上も出遅れてました。
のちに世紀の出遅れと呼ばれる出遅れのために、ゴールドシップを絡めた約120億円の馬券が一瞬で紙くずになるなど、話題の尽きない馬です。
気性の荒さが災いして凡走することもしばしばありましたが、走るときは多くの競馬ファンの目に留まる走りを見せました。
紛れもなく、ゴールドシップも競馬界を盛り上げた一人者だったのです。
ゴールドシップの主なタイトル
- 皐月賞
- 菊花賞
- 有馬記念
- 宝塚記念(2連覇)
- 天皇賞(春)
- 阪神大賞典(3連覇)
ゴールドシップの血統
父はG1タイトルこそわずか1勝だったものの、大舞台で幾度となく善戦したステイゴールドです。
母のポイントフラッグは芦毛の馬で、現役時代は1勝でしたが、チューリップ賞で2着に入選しています。
そして、母の父は名ステイヤーのメジロマックイーンです。
ピンときた方もいるかもしれませんが、ゴールドシップはステイゴールド×メジロマックイーン、通称「ステマ配合」のニックスです。
ステマ配合で産まれた仔は走ると生産者からいわれていて、ゴールドシップもその一頭でした。
ちなみに、三冠馬のオルフェーヴルもステマ配合です。
主なゴールドシップ産駒
代表的なゴールドシップ産駒を紹介します。
- ユーバーレーベン
【偉大なホースマンの夢は黄金の船に乗り未来へ】
21年オークス1着
ユーバーレーベン
Uberleben
(牝3、美浦・手塚貴久厩舎) M.デムーロ騎手
父ゴールドシップ
母マイネテレジア
母父ロージズインメイ
母母マイネヌーヴェル(03年フラワーC1着)#競馬 #ユーバーレーベン https://t.co/UX1nFzXDCW pic.twitter.com/myukOzg41i— 競馬ラボ (@keibalab) May 23, 2021
2021年のオークスを制し、ゴールドシップ産駒初のG1馬になりました。
- ウインキートス
目黒記念を勝ったウインキートスです。
33年ぶりの牝馬の優勝です。
牝馬強し。
丹内騎手も嬉しそうです。
ウインキートスは2500mを走って疲れたかな。
お疲れ様です。
おめでとうございます。 pic.twitter.com/uWgkHct2mH— 競馬ブック 自由帳 (@bookjiyucho) May 30, 2021
2021年の目黒記念を勝ちました。中距離から長距離を得意としています。
- ブラックホール
札幌2歳ステークス(GIII)を優勝したのは、#ブラックホール!
未来へ繋がる大きな勝利!2着は #サトノゴールド で、#ゴールドシップ 産駒のワンツーフィニッシュ!今後の活躍が楽しみだね。初重賞制覇おめでとう!#うまび #札幌2歳ステークス pic.twitter.com/35c6mxOGgZ
— Umabi (@Umabi_Official) August 31, 2019
2019年の札幌2歳ステークスを制し、ゴールドシップ産駒初の重賞馬になりました。
- マカオンドール
重賞勝ちこそないものの、京都2歳ステークス、京都新聞杯で3着に入選しています。
- ウインマイティー
2020年のオークスで3着に入選しました。
産駒数はすくないものの、着実に重賞馬を輩出している
初年度産駒がデビューしてからまだ3年しかたっていないので重賞馬は決して多くはありません。
それでも、重賞馬やG1馬を輩出しているあたり、ゴールドシップは優秀な種牡馬だといえるでしょう。
ゴールドシップ産駒の特徴
ゴールドシップ産駒はほかの産駒と比較すると決して産駒数は多くありません。
しかしながら、産駒の成績を見てみると、産駒が得意とする条件が見えてきます。
ゴールドシップ産駒が得意とする条件を紹介します。
得意距離は中距離
ゴールドシップ産駒は中距離から長距離を得意としている馬が多いです。
例えば、2021年のオークスを制したユーバーレーベンは芝の2400mの舞台で鋭い末脚を使って勝利を手にしました。
その前の年のオークスにおいてもウインマイティーが長く脚を使って3着に健闘しています。
ウインキートスが制した目黒記念も芝の2500mで、スローの逃げで牡馬相手に勝利していますね。
重賞で好走している産駒の多くは中距離で結果を残しています。
札幌競馬で好走している産駒が多い
ゴールドシップがもっとも得意とする舞台は札幌競馬場です。
2020年の札幌2歳ステークスにおいて、ブラックホールが産駒としては初となる重賞タイトルを手にしました。
このときの2着馬はサトノゴールドで、こちらもゴールドシップ産駒です。
また、翌年の札幌2歳ステークスにおいてソダシの2着に入選した馬はのちのオークス馬となるユーバーレーベンでした。
余談ですが、この年の札幌2歳ステークスはのちの桜花賞馬とオークス馬のワンツーで決着したレースで、思い返すと豪華な一戦だといえますね。
桜花賞馬とオークス馬の競演からはや1年
今日は #札幌2歳S
おはようございます#ソダシ #ユーバーレーベン #競馬 pic.twitter.com/X8PVsLn6s5
— 東スポ競馬 (@tospo_keiba) September 3, 2021
話を戻すと、父ゴールドシップも現役時代は札幌2歳ステークスで2着に入選しています。
また、ハープスターとのマッチレースが繰り広げられた2014年の札幌記念でも2着に健闘していることから、父仔ともに札幌を得意としていました。
得意舞台は芝>>>ダート
ゴールドシップは現役時代、向こう正面からの超ロングスパートで幾度となく勝利を手にしてきました。
スタミナのみならず、時計のかかる馬場でも好走していたのでパワーも豊富です。
産駒が力が求められる洋芝を得意としていることから、ゴールドシップのありあまるスタミナとパワーを受け継いでいるのは確かです。
ところが、産駒はダートよりも芝のほうが好走しています。
こちらはゴールドシップ産駒がデビューした2019年から2021年12月5日時点の産駒の成績です。
ゴールドシップが芝で活躍していた馬だったことから、芝への出走回数が圧倒的に多いです。
芝とダートの成績を見ると、芝では約14頭に1頭が勝ち星をつかんでいて、ダートでは約17頭に1頭が勝ち星を手にしています。
勝率だけ見るとそこまで差はないように思えますが、注目すべきは複勝率です。
ゴールドシップ産駒は芝では約3割の確率で馬券に絡んでいますが、ダートでは芝の半分以下の複勝率しかありません。
ゴールドシップ産駒を馬券で狙うのであれば、芝なら複勝、ダートなら単勝で狙うのがいいかもしれません。
3:ゴールドシップ産駒は崩れやすい?
それまで成績の良かった馬が、あるレースで大敗するとその後、スランプに陥ることはよく見られます。2013年のオークス馬、メイショウマンボがまさに典型でしょう。
ゴールドシップ産駒の有力馬を見ると、立て直しがかんたんではない馬が何頭か見られました。
ユーバーレーベン
最初に紹介するのは当記事で何度も紹介しているオークス馬のユーバーレーベンです。
同期のソダシとともに、今後の競馬界を担う存在になりそうでしたが、秋の秋華賞ではまったく見せ場なく敗れると、続くジャパンカップでも6着に敗れます。
ジャパンカップはコントレイルやシャフリヤールといった強豪相手に6着入選しているので一見健闘したように思えるでしょう。
しかし、ユーバーレーベンの次に入選したのが5歳牝馬のシャドウディーヴァでした。
斤量の恩恵を考えるとシャドウディーヴァよりもユーバーレーベンのほうが条件が良かったのは確かです。
シャドウディーヴァは府中巧者ですが、ユーバーレーベンも同じ府中で開催されたオークスを制しているので舞台適性はどちらもありました。
そのなかで、シャドウディーヴァと半馬身しか差がなかったのはオークス馬として、いささか物足りない内容だと感じました。
ブラックホール
札幌2歳ステークスを制したブラックホールは、続くホープフルステークスで9着に敗れます。
4ヶ月の休み明けだったので、百歩譲って仕方がないとしても、その後、引退するまで一度も馬券に絡むことがありませんでした。
また、札幌2歳ステークスで2着に入選したサトノゴールドも、3歳以降は条件戦に挑みましたが、馬券に絡めず、現在は地方の浦和で走っています。
立て直しがむずかしいのは牝馬によく見られますが、ゴールドシップ産駒に限れば、牡馬でも崩れやすいのかもしれません。
まとめ
ゴールドシップ産駒はデビューが2019年なので、ほかの大型種牡馬に比べると、データの量は少ないです。
ゴールドシップ産駒の今後の活躍によっては、新しいデータがまた出てくるかもしれません。
しかしながら、決して多くない産駒の中からG1・重賞馬を輩出しているのはさすがですね。
父譲りのスタミナとパワーで、今後も競馬界を盛り上げてほしいですね。