オルフェーヴル産駒は強い?産駒の特徴を5つ紹介

競馬 血統

オルフェーヴルは史上6頭目の三冠馬です。

小柄な馬体からは想像できないようなスタミナとパワーをフルに活かした競馬で数々のG1タイトルをつかみました。

また、その気性の荒さは一種のパフォーマンスとしても映え、いまだに多くの競馬ファンに愛されています。

気性面では問題があったオルフェーヴルですが、その実力は本物で、種牡馬入りを果たしたあとも数々の有力馬をターフに送りました。

ここでは、オルフェーヴル産駒にはどのような馬がいるのか、有名な馬と産駒の特徴について解説していきます。

《この記事で分かること》

  • 現役時代のオルフェーヴルの逸話を紹介しています。
  • 代表的なオルフェーヴル産駒が分かります。
  • オルフェーヴル産駒の特徴が分かります。

いますぐ勝ちたいなら信用できる競馬予想会社ランキングをチェック!

オルフェーヴルは競馬史上もっとも破天荒な三冠馬

強そうな馬

史上6頭目の三冠馬となったオルフェーヴルはとにかく気性の悪い馬でした。

デビュー戦で勝利を飾ったあとに行われる”はずだった”表彰式では、騎乗する池添騎手を振り落として中止になります。

その後も、池添騎手と相性がいいのか悪いのか、とにかく手がつけられない馬で、多くの関係者がひやひやしました。

古馬になって挑んだ阪神大賞典はある意味伝説のレースといっていいでしょう。

向こう正面でいきなりペースを落として最後方まで下がったと思いきや、そこからグングン加速して2着に入選しました。

レースに真剣なのか、舐めて挑んでいるのか、真相はオルフェーヴルにしか分かりません。

それでも、三冠馬同士の激突となった2012年のジャパンカップでジェンティルドンナとマッチレースを繰り広げたり、凱旋門賞では2年連続で2着に入選。

そして、引退レースとなった有馬記念では2着のウインバリアシオンに8馬身差をつけるパフォーマンスで多くの競馬ファンの心をつかみました。

よくいえば元気いっぱい、悪くいえば全く手がつけられない不良ホースのオルフェーヴルは現在、種牡馬として繁殖活動に営んでいます。

オルフェーヴルの血統背景

オルフェーヴルの4代血統

オルフェーヴルの父は、香港ヴァーズを制したステイゴールドで、母は現役時代に3勝したオリエンタルアートです。

オリエンタルアートの初年度産駒には東西グランプリレースを制したドリームジャーニーがいます。

それ以上に注目したいのが、母の父がメジロマックイーンというところです。

ステイゴールド×メジロマックイーンの配合は通称『ステマ配合』と呼ばれるニックスで、血統背景から見てもオルフェーヴルは好走する可能性を秘めた馬でした。

ニックスとは

クロス

ニックスとは、ある配合において優秀な競走馬が生まれる可能性の高い組み合わせをいい、黄金配合とも呼ばれます。

前述したステマ配合はオルフェーヴルやドリームジャーニーだけではなく、芦毛のゴールドシップも含まれています。

ところで、ニックスには特別な根拠はなく、生まれた競走馬がレースで活躍してはじめて優秀な配合であることがわかります。

ステマ配合の競走馬が活躍し始めると、乗馬に転向していた母父メジロマックイーンの牝馬が急きょ繁殖牝馬入りするほどでした。

それほど、黄金配合は多くの生産者やオーナーが注目しています。

余談ですが、ステマ配合以外のニックスを紹介します。

  • 父ディープインパクト×母父ストームキャット

ラヴズオンリーユーやサトノアラジンを輩出しています。

  • 父ディープインパクト×母父フレンチデピュティ

マカヒキやショウナンパンドラを輩出しています。

  • 父ディープインパクト×母父アンブライドルズソング

コントレイルやダノンプラチナを輩出しています。

兄よりも種牡馬として期待されたオルフェーヴル

オルフェーヴルが種牡馬として迎えられた当時、全兄のドリームジャーニーも種牡馬入りしていました。

しかし、ドリームジャーニーよりもオルフェーヴルのほうが期待されていました。

三冠馬の肩書きやG1タイトル数を考えれば、オルフェーヴルに注目が行くのは必然ですが、それ以上にドリームジャーニーが種牡馬に不向きでした。

理由は、体型にあります。

オルフェーヴルもサラブレッドとしては小柄な部類ですが、ドリームジャーニーはもっと小柄で、現役の最高馬体重は442キロしかありません。

この小柄な馬体が交配において非常に不向きだったのです。なぜなら、ペニスが女性器に届かないからです。

そのため、多くの人がドリームジャーニーの交配をサポートしましたが、通常1分もあれば終わる交配に90分近くかかることもありました。

交配できればまだいいほうです。どれだけフォローしても交配できずに終わることも多々ありました。

現在までドリームジャーニーの産駒数が少ない理由は、ドリームジャーニーの小柄すぎる馬体にあります。

このような理由から種牡馬としてのオルフェーヴルに白羽の矢が立ちました。

オルフェーヴルの代表産駒

栗毛の馬

現役時代は手の付けられない暴れん坊でしたが、種牡馬としては驚くほどおとなしく繁殖活動を行っているようです。

オルフェーヴルが世に送り出した産駒のなかでも有名な競走馬を紹介します。

  • ラッキーライラック


初年度産駒の牝馬です。エリザベス女王杯を連破しました。

  • エポカドーロ


同じく初年度産駒です。皐月賞を勝っています。

  • ソーヴァリアント

2021年のチャレンジカップにて、古馬を出し抜き力強い競馬で勝利しました。

  • マルシュロレーヌ


ラヴズオンリーユーと共に向かったアメリカのブリーダーズカップ・ディフタス(G1)をしんがり人気ながら勝利しています。

  • ジャスティン

短距離ダートで活躍しています。

  • メロディーレーン


アイドルホースぬいぐるみよりもアイドルな馬です。平均馬体重350キロながらも長距離で結果を残しています。

オルフェーヴル産駒の特徴5選

仔馬の群れ

2021年12月時点で、4年度産駒がターフデビューしています。

産駒にはどのような特徴があるでしょう。

産駒の特徴と、得意舞台や力を発揮できる条件をまとめました。

パワーのある馬が多い

パワーのイメージ

オルフェーヴル産駒はパワーのある馬が多いです。

例えば、エポカドーロが手にした皐月賞は例年、中山開催最終週に行われます。

最終週なので馬場が痛み、時計もかかる傾向がつよく、また、エポカドーロの年の皐月賞は稍重で開催されました。

その中でエポカドーロは先行競馬から直線で動き出し、勝利をつかんでいます。

ラッキーライラックも直線の坂を2度駆け上がる阪神を得意としていて、大阪杯やエリザベス女王杯(京都改修工事で阪神開催)を制しています。

力のいる舞台を得意とする産駒が多いのがひとつめの特徴です。

スタミナが豊富

スタミナのイメージ

パワーだけでなく、スタミナの豊富な馬が多いのも特徴です。

オルフェーヴル産駒の代表的なステイヤーは小柄なメロディーレーンです。

心臓の強い馬で、牝馬ながら挑んだ菊花賞では上がり最速35秒7の末脚で5着に入選しました。

その後も長距離レースを中心に使われ、現在はオープン入りを果たしています。

そのほかにも、芝2500mのアルゼンチン共和国杯を連破したオーソリティや、スタミナ勝負になりがちな札幌2歳ステークスを制したロックディスタウンもいますね。

重賞馬の多くが中距離から長距離を走っていることから、体力豊富な産駒が多いです。

芝もダートも走る

オルフェーヴル産駒の馬場別成績

こちらはオルフェーヴル産駒がデビューした時点から、2021年12月12日までの産駒の馬場別成績です。

基本的にはどのような馬場でも結果を残していて、芝でもダートでも走ります。

あえていうなら、芝よりもダートのほうがやや勝率、複勝率が高いですね。

同じステマ配合のゴールドシップ産駒はダートの成績はいまいちでしたが、オルフェーヴル産駒は汎用性が高いです。

重賞よりも下級条件のほうが走る

オルフェーヴル産駒の中央における重賞馬は2021年11月時点で15頭います。実は、この数はそこまで多くありません。

なぜなら、2021年時点で2年目産駒を輩出しているキズナはすでに重賞馬を11頭輩出しているからです。

ラッキーライラックやオーソリティのように、重賞前線で結果を残す馬もいますが、それはほんの一握りです。

若い時期から重賞で活躍している馬は別ですが、多くの産駒は条件戦を中心に活躍しています。

意外なほどおとなしい馬が多い

サラブレッドは能力だけではなく、両親の性格も継ぎやすいです。

オルフェーヴルは気性がとにかく荒かったので、産駒にも気性難が継がれるとささやかれていました。

ところが、ほとんどの産駒はおとなしいようで、ラッキーライラックに至っては非常に素直な馬だそうです。

ただし、ロックディスタウンのようにパドックで立ち上がったり折り合いを欠いてしまう馬も中にはいます。

オルフェーヴル産駒を狙う際は、紙面上のデータだけではなく、パドックや返し馬もしっかりとチェックしたほうがよいでしょう。

まとめ

繁殖入りしたオルフェーヴルは現役時代ほど気性の荒さは見せていないようで、精神的に大人になったのかもしれませんね。

その影響か、産駒も比較的おとなしい馬が多いです。

しかしながら、父が現役時代に見せたポテンシャルの高さは確かに仔にも継がれていて、特にスタミナとパワーには定評があります。

力が求められる舞台やスタミナ勝負になりそうなレースでは積極的にオルフェーヴル産駒を狙っていきたいですね。